【要約&書評】2040年の未来予測|生き残るのは変化に適用した人

変化が加速する時代。私達はどのようにしてこれからの人生プランを立てれば良いのか。

来る未来を想定できていれば私達はどこに軸足を置くべきなのかの判断ができる。

そんな予測不能な未来を、現在の技術をもとに、順序立ててわかりやすく教えてくれるのが

『2040年の未来予測』 成毛 眞 著

著者の経歴

1986年 31歳 マイクロソフト入社

1991年 36歳 同社社長に就任

2000年 45歳 退社

その後は著者として活動されており、著作は累計40冊以上

こんな方にオススメ

・テクノロジーの進化で私達の生活がどのように変わるのか知りたい

・これからの時代を生きていく上でどのようなスキルを付けていけばいいのかわからない

・来る未来のビジネスチャンスを見つけたい

この本では、20年後の日本が抱える問題として、高齢化社会、それに付随する年金、税金、医療費や、自然災害、温暖化についても警笛を鳴らしているが、この記事では、それら先真っ暗な未来を、テクノロジーでどのように明るく変えていけるかの部分に焦点を当て、見ていきたい。

テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする

新しいテクノロジーに対し人は懐疑的になる。

だからこそいち早くその可能性に思いを巡らせる人にはチャンスがある。

今では生活に欠かせないiphoneも登場したのはわずか13年前(2007年)なのである。

新しい技術は突然現れる事はなく、すでにある技術の組み合わせで登場する。

だから、現代を見渡せば、未来は見えるということになる。

20年前には自動運転は技術的に不可能といわれていた。

しかし、今から20年後、ドローンや空飛ぶ車が行き交う世界は当たり前になっているはず。

今私達がスマホを使用しているように、当たり前にそれらを使用している社会になると想定されており、こう述べられている。

テクノロジーに鈍感なのは大衆の証だ。テクノロジーの可能性を知り、そこに賭けた者だけが、大衆から抜け出せるのだ。

5Gとはそもそも何?

最新のテクノロジーを使いこなすには、高速通信インフラが不可欠になる。このインフラが今、整いつつある。

通信速度は4Gの100倍。2時間の映画のダウンロードに、4Gで5分だったものが5Gだと3秒

5Gの先、6Gが2030年には実用化され、情報伝達速度は5Gのさらに10〜100倍。且つ、大容量情報伝達力といわれている。

高速通信5Gのインフラ整備により、テクノロジーの実用化の可能性が一気に拡がる

全てのものが常時インターネットに接続される

PC、スマホだけでなく、身の回りのもの全てに半導体が中に入り込み、コンピュータ並の処理能力を持つようになる。

あらゆるものにチップが埋め込まれることにより、私達の行動履歴は全て蓄積され、その履歴がビジネスに活用される。それは少し不気味だが、良いことでもある。

超小型のチップにRFID (Radio Frequency IDentifier) というものがある。

電波でチップを自動認識するもので最小のものは指紋の溝に収まる程小さい。

この仕組みを使っているのがユニクロの自動レジ

世界の使用量は2019年時点で推計約160億枚。在庫管理等が容易になるが、コストが理由でまだ多くは普及していない。現在1枚10円程。だが量産が進めば1枚1円程度となる試算

指紋に収まるレベルの超小型チップの実用化により、IoT化が加速する

IoTの実情と未来

インターネット接続機器台数は

2010年 125億台  一人当たり2台

2020年 500億台

2040年 10兆台になる予測  一人当たり1000台

6Gが実現する世界

6Gにより実現される世界は、こう予想されている。

・バス、電車の自動運転

・輸送、物流の自動化

・ドローンによる配送

・遠隔手術

・リアルタイム翻訳

AI技術が本格実用化

自動運転

2021年現在、自動車に使用されているセンサーの使用量

大衆車 3個

高級車 6個

それが、自動運転車となると15個になる!

センサの種類も、現在使用されているミリ波レーダーから、より小さい物体を検知できるセンサー『LiDAR(ライダー)』というものに置き換わる。

これは人物と物体を性格に区別でき、iphone12のカメラ機能に搭載されている、より高性能なセンサーである。

高性能センサーの登場により、自動運転現実化

空飛ぶ車

モルガン・スタンレーによる試算では、2040年の空飛ぶ車の全世界の市場規模150兆円

これは世界のGDPの1.2%

2021年現在の世界の自動車産業の市場規模が400兆円であることを考えると、相当部分が置き換わる可能性がある

レジ係は不要となる

日本で、絶対的に確実なこと。それは人手不足

これを解消するために、コンビニやスーパーは無人化される

これはすでにAmazon Go で実現している

さらに、アマゾンは人間の手のひらを、幅や指の長さなどで認証することで、クレジットカード代わりにしようとしている。

人手不足の解消のために、レジ係はテクノロジーにとって代わられる。

エネルギーのカギは電池

2019年に世界で導入された新しい電源の72%が再生可能エネルギー

とは言え、再生可能エネルギーは天候頼みであり、電力を大量消費する先進国にとっては大きな壁がある

現状、電気を貯められる設備が無い。

蓄電池に適切なのがリチウムイオン電池。だが、安全性に問題がある

そこで有望視されているのが個体電池

<個体電池の特徴>

・燃えない

・小さい

・リチウムイオン電池の2倍のエネルギーを蓄えられる

全固体電池は日本企業が強い。特許の半分はトヨタを始めとした日本企業が保有している

再生可能エネルギーの実態を見てみると。。。

2030年までに洋上風力発電を原発10基分に当たる1000万kw分確保する計画

これは全体の2%にも満たない

運転音による漁獲への影響や、景観を損なうといった壁も立ちはだかる

エネルギー源の再生可能エネルギーへの移行は不可避。貴重なエネルギーを蓄電するため個体電池という日本の技術が活躍する場

教育

学校外で、PCを使って宿題を「毎日」または「ほぼ毎日」する割合

世界平均が22%であるのに対し、日本は3%

大学進学の意味

日本では学歴の意味がなくなる(日本では、と書いたのはアメリカでは今後も意味がある)

大学卒のの肩書が必要だったのは、2008年までの、日本がまだ人口が増え続けていた時代は、大企業の席が少なかったから。それが今後は売り手市場になる。

国は教育についてどう考えているか、2040年の大学教育の目標をまとめた文書がある

かわりやすく言うと

分野を超えて先端の学問を学び、あらゆることに対応できる力を備えた人材

変化に順応できるフットワークと学びの姿勢を持つこと。それくらい世界は早く進化する

シェアリングは巨大産業になる

安かろう悪かろうは過去の時代のものとなり、安くて品質の良いものに溢れ、お金をかけずに生活を楽しめる。モノを持つことがステータスでなくなった。

しかし、所得が増えない日本では安いシェアリングが重宝される。

シェアリングサービスにビジネスチャンスあり

著者のまとめ

あなたは、どうすればいいのか。国を忘れることだ。

政権が変わろうと、コロナでニューノーマルが囁かれようと、日本は変わらない。

経験豊富な政治家ですら変えられないのだからもう変わらない。

民間はどうかというと、GAFAのような巨大企業が生まれる兆しもない。

どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐことをオススメする

生き残るのは優秀な人ではなく、環境に適応した人。

まとめ

無人店舗や、あらゆるもののIoTなど、ITの世界では叫ばれてはいるが、どのように実現されるのかイメージがわかなかったが、指紋にまで入ってしまうほどの小さなセンサーが、もうすでにユニクロ等で実用化されていることを知ることで実感がわいた。

モノがコモディティ化する時代。ITのテクノロジーでできることが多い。最後に著者が問いかけた、どうすれば幸せな人生を送れるかの現時点の私なりの答えは、今現在の成長分野に身を起き、一翼をに担うことで、少しでも社会への貢献度合いを高めることだ。

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